SEの上流工程とは、クライアントの要望を形にするため要件定義やシステムのデザインを決める仕事を指します。また、開発に必要となるリソースの確保や予算の配分なども含まれており、プロジェクト全体に大きな影響を及ぼす重要なステップです。上流工程を担当するSEには高いコミュニケーションスキルが求められます。打ち合わせの中でクライアントの希望を正確に汲み取るヒアリング能力は必須です。
また、IT用語にあまり詳しくないクライアントと接する際には、システムの概要やプロジェクトの進捗などを平易な表現でわかりやすく説明できることもポイントとなるでしょう。設計書やシステムの要件定義書などをクライアントへ見せる際には特に配慮が必要です。
意思の疎通がきちんとできていないと、システムの完成が間近になってクライアントから大幅な修正を求められるというトラブルが起こりかねません。
マネジメントスキルも上流工程を担当するSEに不可欠な能力と言えます。プロジェクトがスケジュール通りに進むよう管理するのはもちろんのこと、プログラムの作成やテスト、デバッグなどを担当するエンジニアたちが気持ちよく働くことができる環境を整えることも上流工程を担当するSEには必要です。
そのため、プロジェクトに携わる各エンジニアたちと定期的にミーティングを行い、開発のペースは順調か、リソースが不足していないかといった点を確認するように心がけておきましょう。